光と陰の狭間の色に名前をつけたいー櫻坂46「五月雨よ」フォーメーション発表 2022年2月15日付
私も含めて、もうそれこそ様々な予想が飛び交った。冠番組で発表されるのがわかっているのだから、冷静に考えれば待てばいいだけの話なのに、落ち着かなくて仕方ない。それが深い思い入れというものの体現された形なのだろうと、一方で妙に冷静な自分が意味のない分析を行う。
私がなぜどうしても全員選抜にこだわりたかったか。
ならばやはり全員で二人を送ってほしかった。
全員で楽曲を届ける、というわりに、その表題曲に全員がいないことの矛盾点が疼く。
その表題にいないメンバーがどういう想いでこの曲を見つめるのだろうか。
そんな情緒的なものを排して、エイトや表題選抜を優先する意味を考えたくないけど考えてしまう。
もちろんそれはそれとして、もう一つの大きな理由。
選抜は、誰かしらが喜び、誰かしらが悲しむ制度であり、単純にそれを見たくないという意味があった。これも情緒的な部分ではある。
枠が決まっている以上、そこに入れたメンバーとそのメンバーを推している人は喜ぶ。一方で、入れなかったメンバーとそのメンバーを推している人が悲しむ。
自明の理。
表題に入れなかったメンバーは、自分を推してくれているファンに対して申し訳ないと謝り、そんな謝る姿を見てファンはそれ以上に申し訳ない気持ちに苛まれる。
一体何度この光景を繰り返してきたことか。
松田里奈と大園玲を推す私としては、二人の選抜入りを喜ぶべきなのかもしれない。
もう一人の推しメン・菅井友香の表題不参加は、ミュージカルという大仕事とスケジュールが被っている以上、仕方のないこと。それでもそこに彼女の名前がないという事実は衝撃的ではあったけど、卒業を控えた二人を中心にした共通カップリング曲への参加を喜ぼうと思う。
実は以前からその可能性はあると思ってたけど、口にしたくないからずっと言わなかった😢#櫻坂46 #五月雨よ #菅井友香 https://t.co/PuRnIC5bRD
— 🌸🎨🧢🏦 川 島 雅 隆 ◢͟│⁴⁶ 🌳🐴🗒☀️ (@hiroty0526) 2022年2月13日
「※ #菅井友香 はミュージカル「カーテンズ」の出演の為、4thシングルは共通カップリングのみの参加になります。」
— 🌸🎨🧢🏦 川 島 雅 隆 ◢͟│⁴⁶ 🌳🐴🗒☀️ (@hiroty0526) 2022年2月13日
できればこれを番組で出して欲しかった😅
でもこの文言を伝えてくれてありがとう運営さん🙏#櫻坂46 #五月雨よ pic.twitter.com/GKhOomjFr6
そして何より、私としては推しメンとか、推しメンではないとか関係なく、それぞれのメンバーの情念が体の中に入ってくるような感じがして、それがとても心を揺さぶられるのだ。
私は、全体を見通す目を忘れたくはない。
だから、喜ぶべきことはしっかりと喜びたい。
まず、山﨑天センター。
彼女の表題センター曲というのなら、どうしても私がこだわりたいのは、やはりこれだ。
欅坂46そのものが活動休止してしまった以上、それを引き継ぐ櫻坂46を頂点に導く。
彼女が過去の自分のこの言葉を、現時点でどういうふうに捉えているのかわからないけれど、言葉には言霊というものがある。
大勢の人が見る前で放たれ、何なら世間的にも報じられたこの言葉を、ついに実現させるときがやってきたと私は思っている。
欅坂に入らなければできないような経験が、それこそ波のように襲ってきた。いいこともあった。一方で、本当に心がどうにかなってしまうような出来事もおそらくあったはず。
その全ての経験値を、表題センターとしてぶつけるときが来たのだと。
3列目とはいえ、初めて表題メンバーに名前を連ねたメンバー。
上村莉菜。
彼女には、感謝しかない。
欅坂46を経て、櫻坂46の現在地まで、それこそ様々すぎる想いを膨らませてきたに違いない。もしかすると、心折れてもおかしくない状況だってあったかもしれない。
それでも、ここまでやってきてくれた。
もう本当にそれだけで感謝しかないんだ。
だからこそ表題メンバーに名前があったこと、心から喜びたい。
BACKS LIVEの「美しきNervous」で魅せたあの輝きをまたぜひ放ってほしい。
関有美子。
もっともっと、前に出るべきメンバー。
強く個性のあるメンバーたちに、どうしても隠れがちになっているのが相当惜しかった。
殻を破る、という意味では、自分にいろんな挑戦をしている姿が見て取れる。
まさに実った、というべきか。
見方を換えれば、それだけ運営の方から期待をかけられ始めたとも言えるか。
最近の彼女を見ていて思うのは、明らかに以前と雰囲気に変化が見られること。
今まで見せなかった表情を見せるようになったこと。
人は環境が変わるとこうまで表に出てくるものなのか。
そのことがはっきりと伝わってくる最近の彼女から、ようやく時代が来るのかと思わされている。
改めて言うまでもないのだけれど、表題に選抜されなかったメンバーが劣っているとは、微塵も思わない。
BACKS LIVEを観た人なら、誰だってそう思うに違いないと確信する。
こだわるようで悪いけど、「全員で楽曲を届ける」と告げたのは彼らだ。
そしてここには、「メンバー・スタッフ一同」との署名がある。メンバーもそのことは了解済み、と捉えられる。
ということは、全員で楽曲を届けるためには、本人たちの日頃の努力は言うに及ばず、スタッフもそのために奮闘していきます、という意味合いに捉えて間違いないと思っている。
メンバーは努力している。
スタッフさんも獅子奮迅の動きをしているのは知っている。
だから問題なのは、一人ひとりのメンバーに対してそれらの動きがつながる未来図が描けているかどうか。その絵が完成しそうな方向にしっかり向かっているのかどうか。
二人の卒業生を出すシングル。もちろん全員曲があることは嬉しいしありがたい。それは間違いない。
ただそれと表題曲というのは、全く違う意味合いの重さがある。
表題に入れなかったメンバーは、理佐と葵のラストを飾るシングルに自分がいないことをどう思うのか。
その想いを犠牲にしてまでこの状況の甘受を強いるなら、それ以上のリターンを彼女たちに与えてあげてほしい。
光と、陰。
陰があるから光が生まれ、光あるところに陰ができる、とはよく言ったものである。
でもその光が、全てを凌駕する強さを放てばどうだろう。
陰のできる余地などあるだろうか。
櫻坂46、全員で放つ光で陰を打ち消せ
陰という存在をこの世から消し去るがいい
もっともっと眩しくて眩しくて、直視できないほどの存在
全員にそうであってほしい。
全員が輝くグループ、なのだから。
さらに輝きが増すことを祈念して。