松田好花の涙が知る大切なものーあなたにありがとう2021 2021年11月22日付
ほぼ一年前。
「ひなくり2020」で、松田好花は日向坂46に復帰した。
少なからず入院生活があったということは明かされており、一旦日向坂を離れて病気と闘っていた時期があったからこそ、それまでにはもしかしたら経験したことがないかもしれない人の優しさに、たくさん触れたことは想像に難くない。
人間、病気になるとどうしても精神的に不安になる。
入院生活というのは、非日常空間である。それも精神的な不安定をもたらす。
そんな精神状態が優しさを受けると、大きな喜びとなってその人の中に残る。
彼女がどのような入院生活だったかはもちろんわかろうものではない。でも、順風満帆な入院生活などありはしないので、かなり毎日いろんなことがあったはず。
そして、その闘いに勝利して、日向坂に戻ってきた彼女。
復帰してからは、目立ったのが「涙」であった。
確かに特筆すべきなくらい、涙を流した松田好花2021。
もちろん、入院前から涙脆い傾向があったことは知っている。
けれど、どう考えてもその頻度は復帰後の方がより上がっているのは間違いない。
とすれば、その原因は入院生活が大いに関係している可能性が高くなる。
私も入院経験があるのでわかるけど、病棟には本当に様々な人がいる。様々な人生がそこに集約される。
比較的症状の軽い方ももちろんいるが、重篤な方もいる。短期の入院で終わる方もいれば、相当長期に渡っての入院の方もいる。毎日たくさんの見舞い客が来られる方もいれば、家族の付き添いすらない方もいる。
個室を希望しているのに空きがなく、大部屋で個室を待機している患者さんの元に、看護師さんが「個室空きましたよ!明日からでも移りましょうか」と声をかける。でもそれは個室の方が退院されたからではなく…
などということも日常茶飯事である。
自分の人生もさることながら、それまで関わりがなかった人の人生を目の当たりにするのも病院という場所なのである。
松田好花がその場所で、何を見て、何を聞いて、何を思ったか。
そこを想像すれば、退院後に涙脆くなったとしても、私は不思議には思わない。
今、こうやって元気になって、活動ができるまで回復できたということ。それは当たり前の話ではない。もちろん本人の努力もあっただろうが、医療関係者の方々の尽力もあれば、家族のサポート等の周囲の支えがあって初めて成り立つものだと肌で感じた可能性は大いにある。
自分がしっかり生きている。それも当たり前ではない。
一度そう思えば、誰かから受けた優しさが身に染みて仕方がない。
___もちろん全て想像の範囲内だけど、明らかに復帰後涙の量が多めになっているには必ず理由があるはずで、そのことが理由だとすれば納得がいく。
ということは、もちろん日向坂46としての活動も、当たり前ではない。
もしも。
そのことに彼女が気づいたとすれば。
いや、もちろん彼女のような頭の良さがあるなら、そのことは最初から知っていたに違いない。
でも、このことを通じて、本当の意味で骨身に染みたとするならば。
いいんだ。
それがために、泣けるのなら。
人の優しさに触れて涙を流せる感覚の持ち主で、ずっといてほしい。
もちろん2022年もそんな松田好花であってほしいのだ。