大沼晶保の妥協を許さない姿勢が伝説曲が生んだーあなたにありがとう2021 2021年11月21日付
大沼晶保は、美しい。
その美しさは、何にも妥協を許さないところにある。
人間、変にこなれてくると力の抜きどころを覚えてきて、置きにくる。
確かに毎回全力で臨めば、体力のもたないことも増えてくるだろう。年齢を重ねればなおさらだ。
しかし、どうしてもそれができない人がいる。
0か100でないと人生を渡れない人がいる。
全力を尽くした結果、それが成功するとは限らない。
ところが、たとえそうだとしても、全力で華々しく散る美しさというものも存在する。
考えてみれば、櫻という花はそういう花かもしれない。
一年間、ずっと準備に準備を重ねて、それも持てる力全てをその準備に注いで、春に一気に満開の花びらを提供する。
その満開ぶりも、全力だ。
そして、雄々しく散る。
散った瞬間から、また翌年の準備に入る。
日本人はこの全力で立ち向かう姿がとてつもなく好きだ。
たとえ成功しようが失敗しようが、持てる力を全部出し切る姿に心が激しく揺り動かされる。
大沼晶保を見る心とは、そんな日本人のDNAが反応する心なのかもしれない。
BACKS LIVEで、彼女がどの曲のセンターを務めるか。
立候補制ということもあって、各々が自分の空気に合う曲を選ぶ中、彼女が選んだのは「BAN」だった。
「BAN」のセンター。
これは正直度肝を抜いた。意外性で言えばNo.1かもしれない。
ただ、今思い返してみると、何事にも全力でぶつかる彼女だからこそ、当時は櫻坂史上最高難度と言われたあのパフォーマンスが映えたのかもしれない。ダンスの正解というのはもちろんあるのだろうけど、そんなのがどうでもいいくらい、魂でぶつかってきてくれた。
魂の圧がそこにあった。
だから観る方にも、覚悟が必要だった。
おそらく現地ではよりそのことが感じられたのではないだろうか。
決めた覚悟には、こちらも相応の覚悟で。
そしてその空間には、一筋の涙がどうしても必要になる。
魂が魂に応えたからこそ、流れ出る雫。
「絶対勝つ負けたら死ぬ」
見る側もこの覚悟に応えなければいけなかった。
もう一つ。彼女には「沼ソング」がある。これもある意味、唯一無二性。誰も真似できない領域である。強烈な彼女の個性。
そこさくでの山﨑天フィーチャー回で披露された「I'm very proud of you」の評価が相当高いことをどれくらいの人が知っているだろう。
バラエティ面でも、誤解を恐れずに言うなら、天才肌というか、神がかり的というか。
昨年の前傾姿勢もそうだし、
これもそう
だけどそこからわかることは、彼女が天性のバズる要素を持っていて、それが爆発したときの破壊力が比類なきものになる、ということだ。
全ての面において、期待しかない。
2022年も、一つ一つに全力で立ち向かう大沼晶保であってほしい。
そんな彼女がみんな大好きだからである。