〝公式ライバル〟の功罪ー秋元康、乃木坂46ライバルグループ結成報道 2022年9月4日付
最近、週刊文春が以前ほど坂道系のネタを扱わなくなった、とは感じる。それは、書くようなネタが見つからない、ということであれば万々歳なのであるが、例えばそうではなく、何らかの記事を文春側に提供する大人の取り決めがあってのバーターだとすると、正直言うととても気分の悪い話に成り下がる。まるで、坂道シリーズが文春なんかに売られてしまったようにも思えてしまうところがあるからだ。そうでないと願いたいところではあるが…
今更ながら、少なくとも私からすれば週刊文春なんてのは不倶戴天の敵であって、欅坂46を活動休止に追い込んだ一因を作った連中だと思っている。ただ今回はそれは一旦置いておく。
いきなりこんな話が飛び込んできた。
まぁその不倶戴天の敵の記事を貼るなど、おそらく二度とないとは思うものの、このブログで名前を出したときの文春の記事とは少し毛色が違うので、今回だけはご勘弁いただきたい。
簡単に言うと、坂道シリーズのソニーではなく、エイベックスから乃木坂の公式ライバルとなるグループをデビューさせよう、という計画があるという記事だ。その元締めは、もちろん秋元康となっている。
もちろん文春のことなので話半分でいいとは思うのだけれど、仮にこれが本当だったら…という前提で触れてみたい。
記事では乃木坂の名前しか出ていないものの、どう考えてもこれは坂道シリーズ全体への影響を考えざるを得ない。文春が櫻坂日向坂の名前を出さないあたり何ともモヤモヤするものもあるんだけど…
文春の存在は一旦忘れて、この記事の中身のことを。
再度言うけれども、この内容が本当だったとして、秋元康が新しいプロジェクトを立ち上げるというのは別に珍しい話ではない。記事にあるとおり、乃木坂46そのものがそもそもAKB48の公式ライバルというところからスタートしており、その乃木坂が軌道に乗ったところで募集があったのが鳥居坂46のオーディションで、それが欅坂46となって今の櫻坂46に繋がる。欅坂の枝葉から始まったのがひらがなけやきで、これが今の日向坂46へと繋がる、というのはもはや今更の話。
もちろんそれぞれのファンがこのニュースに触れるのは、その「新しいもの」というのが、自分の推すグループに対してどれだけの影響が出るのか、という一抹の不安であり、あるいは今までずっと作詞を担当してきたプロデューサーである秋元康が離れてしまうのではないかという心配からくるのではないかと。
どうなんだろうか。
確かに秋元康というのは、もはや個人名というより音楽界ではブランド名にまで昇ってしまった感じがするけれど、その影響力にいつまでおんぶにだっこで進んでいくのだろう。
もちろん、歌詞で綴られる言葉の力というのは強い。それは間違いない。でも、だからといって、秋元康がいないと何もできない、というほどグループの力は弱いのか、とも思う。確かに、作詞家として以上に、そのネームバリューによる業界への影響力という点が最もメリットであり、離れてしまうとそのメリットを失う、というデメリットが怖いのはわからないでもない。ただその一方で、乃木坂はもちろんのこと、櫻坂や日向坂だって秋元康以外のプロデュースならどんな色付けがなされるか見てみたい気持ちもある。
実際、秋元康プロデュースも全て成功しているわけでもなく、数年かかって失敗だった、というか、何かがうまくいかなくなって解散した例も結構多い。
私たち推す側としても、考えているようで意外と頭から抜けているのは、自分たちの推すグループの将来像である。
当然私たちが考えることではないと言われればそうかもしれないけれど、櫻坂46が例えばこれから10年経った後、20年経った後に存在しているかどうかわからないが、存在していたとしても間違いなく何かが変貌しているはずだ。ついでに言えば、もしグループが存在したとしても、10年経ったら秋元康は74歳。そんな彼がまだプロデュースをしているとしたら、そのことを受け入れられるだろうか。
人間は悲しいかな、新し物好きで、なおかつ飽き性である。好きとか興味があるものだとしても、芯がないとすぐ揺れる。新しいものにすぐ目が移り、元のものは飽きる。どちらかというとその傾向が強いように感じる。
その習性を利用していると思うのが、この、定期的に新しいグループを立ち上げようとする秋元康の動きなのだ。
うまくいけば、新しいグループを成功させることともに、既存のグループの活性化にも繋げられる、という目論見もあるかもしれない。
何度も繰り返して悪いけれど、この記事の内容が本当だとして。
乃木坂への影響は、私が今の乃木坂を語るほど知識を持っていないので識者に譲るとして。
櫻坂日向坂への影響を考えておきたい。
結論から言うと、影響も何も、放っておいた方がいい、ということ。
放っておく、というと言葉が乱暴だけれど、少なくとも新しいものの存在を意識しすぎて、己の持つ色やスタンスがブレることだけはあってほしくない、ということだ。
外部の影響を受けすぎて、軸がブレた結果迷走する、という例には枚挙にいとまがない。
結局、今までやってきたことを着実に愚直に追求していくことが、未来への成功のカギとなると私は信じている。
櫻坂が欅坂時代から受け継いだ、誰かに寄り添いながら進んでいく姿勢。
日向坂が、自分たちの下積み時代の経験をもとに、笑顔でいることこそが幸せを呼び込むのだという姿勢。
そして、それを続けてきたことで、一定の評価をいただいているという現状。
少なくとも、ブレて方向性を見失うことなど、百害あって一利なしである。
もちろん、その新グループが話題になればなるほど、シェアが荒らされるかも、という不安も浮かぶだろう。もしそうだとするなら、今までのカラーをさらに煮詰めてこちらから攻勢を仕掛けてもいい。
いずれにしても、今までの自分たちのやってきたことを信じて、邁進するだけだと。
…彼女たちはもちろんだが、特に運営にそのことはお願いしたい。くれぐれも彼女たちをブレさせることのないようにしていただきたいと切に願う。
私たちが目に見えているものは、それこそ氷山の一角で、アイドル業界も今見えないところでいろんなことが起きているのだろう。そこには綺麗事で済まされないものも数多あるかもしれない。
それでも、櫻坂46日向坂46には、自分たちを信じて突き進む姿勢を崩さないで、とお願いするのみである。
新グループ?面白い。かかってこい。