櫻坂日向坂の上り方

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かくばかり 逢ふ日のまれに なる人を いかがつらしと 思はざるべきー櫻坂46原田葵卒業発表 2022年1月30日付

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こんなにも会える日が少なくなったあなたのことを、どうして、こんなにつらい気持ち、恋しい気持ちを我慢することができましょうか。

 

「逢ふ日」=「あふひ」=「あおい」の物名歌といわれる、詠み人知らずの古今集の一首。

彼女が卒業して、姿を見ることが少なくなると当然こういう気持ちに襲われる日々が待っていることだろう。

 

櫻坂46・原田葵卒業発表。

 

sakurazaka46.com

 

ただ、この歌を選んでおいてこういうことを書くと矛盾しているようにも見えるけど、ゴールを見せておいてくれたというのは、逆にそこまでの時間を覚悟を持って過ごせる、ということでもある。

先に卒業発表をした渡邉理佐然り、本人たちも、私たちもその覚悟で4th期間を過ごすことができるのは、ある意味幸せなのかもしれない。

 

先日のりさあおSHOWROOM

その後理佐の卒業が発表され、SRはそういう意味合いがあったのかと妙に納得してしまった私ではあるが、逆に腑に落ちないこともあった。どう考えても理佐の卒業を知らなかったはずのない葵が、実に普段どおりというか、寂しさを全く感じさせないSRをやり切ってしまったことを、理佐の卒業を知ってから不思議に思った。

 

 

それだけ彼女が大人になった、と言えばそれで済む話だったかもしれない。でもそれだけではどこか心の引っ掛かりが取れない。

 

もしかして…という想いがあった。

 

こんな虫の知らせは、当たらないほうがいいに決まってはいるけど…

 

時間差があっての卒業発表で、やはりそうだったのかとようやく納得した自分がいた。

 

 

原田葵といえば、加入当初が中3で、今は大学3年生。

変人人ケーキの時代を知っている人がどれだけ今いるだろうか。

 

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二人セゾンMVのピンスポは今でも印象に残ってるし、不協和音の葵櫓とも葵タワーとも言われるあの場面も見せ場だった。セゾンで言うと、欅坂2ndアニラのセゾンにおけるソロダンス。あれこそ原田葵の真骨頂だった。

 

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実は個人的には、セゾンMVの〝What made you do that〟の場面以上に、一瞬映る彼女の横顔とさりげないバレエの所作のシーンが好きなんだけど…

 

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学業による休業。あのとき、実は彼女の卒業を感じた人は意外と多かった。

合格したらそのまま卒業するのではないか、と思っていた推しの人が目についた印象がある。

彼女が復帰したのは、2019年7月の欅共和国。

 

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このときの裏側で絶対に忘れられないのがこれ。

 

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平手友梨奈は彼女に「戻ってきてくれてありがとう」と声をかけたという。それは平手でなくても、私でも思う。

本当によく帰ってきてくれた。

どこかの週刊誌の言うように、グループの内部がどうこう、ということはあまり感じないけれど、正直欅坂の活動そのものは体力も精神力も私たちが想像している以上であったことは間違いない。命をすり減らす、という言葉が大袈裟に聞こえないくらい、一曲に己の全てを賭ける。そんな活動が長く続けば続くほど、もたなくなることは十分考えられる。

 

グループに復帰する、ということは、再びその覚悟に身を投じるということ。

 

こういう話のときはいつも書くことだけど、当然嬉しいこと楽しいこともたくさんあるに違いない。ただその一方で、辛いこと苦しいこと泣きたいことがなかったはずはない。

グループを休業し、復帰した人には概して言えることではあるけれど、それでも復帰する選択をしてくれたことには、感謝以外何もない。

しかも彼女の場合は、そこから欅坂46は改名に向かい、櫻坂46として転生することになる。このとき彼女の胸中に去来したものはいったい何だったのか。

 

卒業発表のブログで、泣かなくなったと彼女は書いた。

そういえば、確かにそうだ。

それを成長と、とるのも正しいのだろう。

あれだけの波瀾万丈の毎日を過ごして、心が鍛えられないはずがない。

涙を流す、ということは、決して弱いからではないと私は思っている。誰かのために泣く、自分が不甲斐なくて泣く、嬉しくても泣く、いろんな涙の種類がある。人は見た目だけで、泣くことを弱いと思いすぎである。

涙ほど、一瞬で空気を変える力のあるものが、この世のどこにあるのだろうか。

実は最強なのではないかと、普段からよく感じることがある。

 

涙を流す人が弱い、というのなら、その弱い人が欅坂、櫻坂をここまで成し遂げられるはずがないじゃないか。

ここまで過ごした日々に別れを告げて、新たな道を歩き出そうとする人が、弱いはずがないじゃないか。

学校と違って、グループの卒業は自分で決められる。それができる人なのだから。

 

波のように押し寄せる、卒業の報。たとえどんな理屈を述べたところで、もちろん感情はなかなか納得しない。時間という薬が必要なのだろう。いや、それすら癒せるかどうかわからない。

でも、それでも敢えて、彼女たちが踏み出そうとする一歩を邪魔だけはしたくないし、してほしくない、と言いたい。

まして「4thが来なければ永遠に卒業はない」などという考え方は、申し訳ないけど言語道断だ。

このブログを書いている時点で、まだ発表されてもいない4thの活動をもって卒業する、なんてこんな異例の発表もない。何故この形なのか、考えてみなくてはいけない。

 

それは彼女たちが、卒業までの日々を大切にしたいからに他ならないと思っている。

 

同じ瞬間は二度ない。この瞬間も二度とやってこない。

皆様がこのブログをお読みになっている時間も、同じ感情でお読みになる時間は二度とやってこない。

彼女たちと過ごせる時間も、こうしている間にも一秒ずつ刻まれていく。

 

だから大切にしなきゃいけない。

一瞬一瞬を後悔しないように。

 

そのため以外に何があるというのか。

 

4thシングルは、欅坂時代も含めて、今までにない「意味」を持つ存在となる。今まで以上に、その曲調や世界観はもちろんのこと、表題フォーメーション、カップリング、何より選抜制度の有無に至るまで、全てが最大の注目ポイントとなる。と同時に、とてつもなくハードルも上がっている。

 

越えてこい。

また身を削らせることを強いるのは心苦しいけれど、あなたたちなら心配しないでとたぶん笑って言うのだろう。

 

4thが発表されるとき、そこがスタートである。

もはやカウントダウンと言うなかれ。

そこから全ての瞬間を尊いものにする時間の幕開けなのだ。

 

 

幕開けを、喜べ。

 

 

 

 

 

 

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